クリスチャン・ディオール、 夢のクチュリエ | 東京都現代美術館

2度のチケット予約に敗れて涙をのみ、3度目にしてやっっっと平日のチケットが予約できた「ディオール展」!(会期は2023年5月28日まで)

展示予告の時点から会期の長さと気合の入れ方に「すごいことになるぞ…!」とわくわくしていたのですが、想像を遥かに超える展示でした。

今回の展示は全て撮影可だったので写真多めにお届けします!

 

※この文章は個人の感想であり、正解や作り手の意図を探るものではありません。
また、これを読むあなた固有の鑑賞体験を阻害しようとするものでもありません。

 

チケットの予約もとれない上、毎日当日券が開館前に完売しているほど人気なディオール展。
ファッションに詳しくない私でも知っているエレガンスの代名詞・ディオール創始者、ファッションデザイナー・クリスチャン・ディオール(1905~1957)と後継の歴代デザイナーのオートクチュールの服がスペクタクルな展示空間で見られるとのことで、はじまる前からかなり期待値が高い展示でしたね。

会期が約半年もあるにも関わらず、こんなにチケットが取れないのはなかなか珍しいのではないでしょうか。
平日の昼間に訪れたのですが、入場数が制限されている分適度な人数でゆったりと見られたのがすごく良かったです。
また、その時間に訪れるのはファッション関係の方が多いのか「このデザイナーにはこういった特徴がある」というようなお話をしているのをこっそり聞くのも楽しかったです!

 

日本とディオール

日本に初めて上陸した海外ブランドがディオールかつ、ディオールのコレクションも初期から日本の影響を受けていたとのことで、日本での展示のために特別に追加された資料やドレスが!日本とディオールにそんな深い関係があるとは知らなかったので驚きました。

こちらのドレスもその1着。めちゃくちゃ北斎〜!飛沫がスパンコールみたいになっているのが素敵。


そして、本展示のための特別が他にもあり、それが写真家・高木由利子さんが撮り下ろしたクチュールの写真。(メインビジュアルもそのうちの一枚です)

こちらが上で載せたドレスを高木由利子さんが撮影された写真です。
ドレスがその1着に合ったモデルに身に纏われ(今回は写真の美しい動きを出すためにダンサーの方が起用されています)、それがどのように「画」として切り取られることで表現されているのか。ドレスの実物と写真が一緒に見られることで、「ファッション写真」とはどのようなものかがひりつくほど感じらる空間でした。
美しいブレの軌跡は、シャッター速度8秒のうち4秒を静止、4秒をゆっくり動くことで作り出しているそうで、写真って時間の切り取り方まで計算されているのかと改めて奥深さに震えました…。

 

youtu.be

高木さんのインタビューと撮影風景すっごくかっこいいので会場行かれない方もぜひ…!

5月14日までのKYOTOGRAPHIEでも高木さんの展示プログラムがあるらしく本当に行きたかった…!!!

www.kyotographie.jp

 

展示空間

そして今回何よりもすごかったのが展示空間!本展の展示空間は建築家の方が日本文化へのオマージュとしてデザインしたとのことで、いつも空間を自在に変える東京都現代美術館でも類を見ない大規模な作りになっていました。

東京都現代美術館、広いのもありいつも「こんな部屋あったかな」となるのですが、今回はいつも以上に「こんな空間あったかな!?」の連続。建築の雰囲気に合わせた展示を行う美術館も多く、それはそれで「前はこの絵が飾られてたな〜」なんて思い出すのが楽しいですが、空間を毎回思い出せないほど変化させる東京都現代美術館は作品の種類や見せ方が多様な現代美術の美術館のあり方としてかっこいいなと思っています。

今回の展示空間の中でも特に水実のお気に入りを2ヶ所ご紹介します!

「トワルのセレクション」

シルエットやサイズのバランスを確認するために真っ白な布で作られるトワル。色や柄がないからこそ形そのものの美しさが引き立ちます。真っ白な空間の中に並ぶトワルは、洗練された状態だからこそ形に対する並々ならぬ情熱を感じて彫刻のような美しさを感じました。

 

「THE DIOR BALL」

す、すご〜(語彙力)

1階と地下2階をつなぐ吹き抜けに、パーティー用のドレスが並びプロジェクションマッピングで星や月が投影されてる、なんか、これ夢…?

隣の方が「服が見えんのよ!」と言っていて「それはそう」と思った展示方法に全振りした形態。こんなの思いついてもやらんのよという展示ですごく面白かったですね…。

 

そのほかの部屋も入るごとに種類の違う美!美!美!を全力で浴びせられ、何だかディズニーランドの乗り物に乗っている気分。

非現実的な空間で、自分もみんなも目をキラキラさせながら「綺麗〜」と溜息を漏らしているのはすごく幸せでした。

アイドルオタクとしては「このドレスこの子に着てほしい!」って考えるのも楽しかったです!

 

チケット予約は終わってしまいましたが、今も時々キャンセルで再販が出るようなのでぜひチェックしてみてください!

www.mot-art-museum.jp

同日に鑑賞した「さばかれえぬ私へ」と「コレクション展」、総合した感想のレポートはまた近日!